前回はテナント型動物病院の現地調査について記しましたが、今回はテナント型病院の共用部について論考します。
多くの動物病院では1階テナント(路面店)を前提とします。
この場合、病院の出入口は前面道路に接します。この部分が誰にでも目につく共用部です。道路からエントランスまでの余裕があれば、外待合として利用することもできます。また小規模テナントなど敷地/テナントの条件が厳しい場合、この部分は給湯器や空調室外機の設置場所として兼用する場合もあります。
かたや建物外周の他の面においては、少なからず隣地との隙間があります。
できる限り、給湯器や空調室外機のような美観上好ましくない設備要素は、この目立たないエリアに配置したいところです。これは計画上メインではない道路に接している場合も同様です。
また建物構成によっては、他のテナントや上階の住居/店舗等との共用スペースが用意されたテナントもあります。この共用スペースからのみテナントに入れる場合を除けば、できればこのスペースは来客者(ペット)を通さないようにして他の施設利用者に配慮したいところです。つまりこの接道部とは別の出入口を勝手口とみなすことで、従業員専用の出入口などに転用できる点がメリットになります。
施設規模が大きい場合、屋上を利用する場合もあります。キュービクルや空調室外機置場が設置されている場合も同様です。CT/MRIのような医療機器を導入する場合に、既存のキュービクルを改造する場合がありますし、都市圏では隣地との隙間がないために屋上にこれらの設備を置く場合もあります。
以上が俗に共用部と呼ばれるエリアの主たる範囲となります。
その利用方法はテナント条件により様々ですが、何れにせよ、その利用を建物所有者が許可できる内容であるか?は重要なポイントになります。どうぞご自由に利用ください、と寛容な場合もありますが、非常に厳格な規則を定めた建物も少なくありません。上階/他エリアの避難経路などは設計者として配慮/分析の上で計画をしますが、関係者での内規等はまさにローカルルール、専門家でも把握できない場合もあります。
これを手薄に扱ってしまうと、事後大きな問題になりかねませんので、できる限り借り受ける時点で規則を把握することをお勧めします。特に建物所有者が多忙な方ですと判断に時間を要する場合もあります。仮に短期間の自転車置き場として利用したい場合でも条件を丁寧に確認しておくことが肝要です。
事前に不動産仲介会社などを介してその利用の同意を得ていくことで、竣工後も相互にトラブルのない施設利用が可能になります。

テナント裏の共用部では空調室外機を配置できず・・・テナント裏に配置しました。