CFC(Cat Friendly Clinic)の認証制度が知られて久しいですね。
私が最近お話をしている先生方は、その導入有無について意見が分かれています。もちろん診療圏/地域性/専門分野/人員確保といった背景もありますが、「スペースの確保が難しそうだから」と言うご意見も伺います。
そう言われてしまうと、動物病院設計の専門家としては腕を振るいたくなるものです。基本的にはご希望を充足しつつも、別案として工夫したアイデアをお見せすることも多々あります。
さほど難しくなければ猫待合/猫診察を余裕のあるスペースで確保しますし、頭を抱えそうな狭小テナントでも’何らかの’知恵を絞ります。(‘何らか’が何であるかは、社外秘とします。)
どこまでも認証制度ですから、実際に申請をするかは先生方に委ねざるを得ません。しかし制度設計(マニュアル)に依らずとも「同等のホスピタリティを提供できそうだ」と満足いただくこともあり、動物病院設計者冥利に尽きます。
私自身は実家と自分の家庭で犬の飼育経験はありますが、猫は’ほぼ’経験がありません。この’ほぼ’というのは、小学生の頃、実家裏で産まれたばかり(産み捨てられた)猫を救って飼育するも、短期間で亡くなってしまった経験があるのです。この仕事にライフワークとして関わる中で、ふとその少年時代の悲しみが蘇ることがります。
僕自身は救ってあげられませんでしたが、自分が手掛けた動物病院で何処かの猫が回復しているならば、きっとその猫も喜んでいるだろうと思います。