動物病院をはじめに構想するにあたり、いつも頭の片隅で考えているのは空間の広がりです。限られたスペースでも目線がスッキリ抜けていたり、外光が一筋入ってくるだけで随分印象が違います。平面的な広がりだけでなく、垂直方向の広がりは空間にコントラストを付けてくれると思っています。待合ラウンジに吹き抜けがあると、春・秋の中間期には上部の窓から換気もできます。夏の上部の暑い空気は天井の換気扇を使って排出します。冬の天井にたまった暖かな空気は、シーリングファンにより下方へ流れるようにすれば、省エネの観点からも良好な環境がつくり出せます。また待合ラウンジのみならず、ワークゾーンにも工夫して吹き抜けを設けられれば、より快適で個性的な動物病院が出来るでしょう。
動物病院設計士のささやかなこだわり 【吹き抜け】
