コラム&ブログ

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2024.03.01 事業承継かつ営業しながらの改修事例

今回はテナント型動物病院の事業承継でありかつ営業しながらの改修事例について、現在弊社で現場監理中の事例をご紹介します。

本テナントは都心の住宅地において長年にわたり地域に愛され運営されてきた動物病院です。その歴史相応に従業員の変遷もあり、また医療機器や備品・荷物も多く残っています。

今回のリニューアルに際しては、現在の院長やスタッフ各位の熱い想いを「かたち」にすることにフォーカスして企画が始まり、設計を進めました。しかし営業を止めるわけには行きません。また運営や飼い主さんへのご迷惑を加味すれば、繁忙期までに改修工事を終えることも大前提としたいところです。

当然ながら、スタッフ各位/医療機器メーカー/弊社(設計)/工事会社が揃って、短期間であることを覚悟して挑みました。個人的にはこういった情熱的な設計行為は仲間意識が創出しやすく得意分野もありますが、相応に関係者への検討行為への負担がのしかかります。

そこで以下のようなことを前提として、できる限りの負担を軽減し、無理も無駄もない設計施工を展開しました。

まず企画構想のフェーズでは、「やりたいことを全て叶える」と何が起きるのかを検証しました。改修工事には当然ながら工期や予算がつきものですが、いずれにせよ「全てを叶えるとしたら何が起きるのか」という現実を直視します。しかし必ず何かしらの課題が生まれます。これを解消することが知恵の絞りどころであり、基本設計~実施設計での改善行動の検討に繋がります。

続いて基本設計~実施設計のフェーズでは、「現状からの脱却は改善である」ことを前提として打合をしました。「改修工事が必要である」という認識の根底には、日々の診療で目に見えた「課題」があります。これを顕在化し、何が問題であるかを関係者揃って分析し、詳細寸法に及ぶ内容に至るまで緻密に改善する計画を模索します。診療の方法は千差万別ですが、少なくとも計画中の病院にとっては眼の前に「好ましくない」状況があります。これを改善する計画を緻密に決めることで、「本当に叶えたかった病院の在り方」と大きな夢が眼の前に見えてきます。

設計図書がまとまりますと、見積をします。病院サイドには、この期間の終了(つまりは工事契約)までに必要な荷物の処分を依頼しました。打合を必要としない期間であり、その時間を「長い歴史の整理」に充当いただきました。かなり大変であったと思います。

さて問題は施工のフェーズです。どんなに大きな夢が描けたとしても、運営しながらの改修工事には、本来は相容れない診療と施工の現場が隣接する極度の緊張感が生まれます。そこで本計画では、設計の段階で工事中の状況を想定しながら計画を立案しました。また撤去が難しい既存の壁や躯体柱を工事工区の基準値として定め、無駄な壁の撤去をしない/防音対策にもつながることを想定しました。幸いにして既存の出入口が2つありましたので、双方を上手く利用しつつ、共存を叶えました。もちろん病院関係者/飼い主様には暫しのご迷惑をおかけします。しかし診療を止めるようなことを回避できるようにするのも「設計」と実感しています。

まだ竣工はしていませんが、このようなフェーズを経て着工に至ったという生の声をお届けささせていただきました。その後のお話は、また改めてご案内差し上げたいと思います。

 

改修前の病院

改修計画案

工事工区の検討案

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