動物病院の計画に際して予算に限りがある場合は工事費用のバランスをどのように分配してゆくかも重要なポイントになります。ペットと飼い主であるクライアントが訪れる際に頻繁に利用する「待合ラウンジ、受付、客用手洗い」等をクライアントゾーンとし、機能が求められるその他の部屋をワークゾーンとして、また診察室、トリミング室等をその中間領域と設定します。
まず、給排水設備や電気設備、防音設備や防護設備等の設備は予算のベースとしてグレードの応じて必要なものですが、建築工事費用は部屋の多さによる間仕切り工事や建具工事の多さに影響されます。工事の最終段階である仕上工事は使う材料によって大きく変わり、まさしくピンからキリまでです。そこで、機能が求められるワークゾーンはローコストながら設備計画も含め機能的に計画しクライアントゾーンは仕上げやデザインにこだわり、病院のイメージを表現するためのデザインのコストを確保しましょう。
このクライアントゾーンとワークゾーンの中間領域の診察スペースなどは機能とデザインの両面から検討をします。待合から診察室へのデザインの連続性を、また処置室等からの機能的な面での繋がりを考慮することで、使いやすくデザインコンセプトが明快な病院となります。