動物病院設計に関わるということは、独立開業/移転・改修/承継をされるタイミングに立ち会うことに等しい部分があります。
私がメンバーであるイトレス&ACD/土`田のもとで修行していたスタッフ時代は、独立開業される方々と同世代(またはやや年下)でした。
しばらく時が経ち、今となっては同世代(またはやや年上)の印象です。
スタッフ時代は、ゆくゆく独立する(かもしれない)自分と重ね合わせて、起業する先生方の心意気を学びつつ打合をしていましたが、最近は過去の自分と重ね合わせて打合をする場面も増えました。
本質的には設計とは無縁に思えますが、各々に様々な考え方や野心があり、また知り得なかった着眼点もあり、当時から変わらず非常に興味深い視点です。こと根底にある「一旗揚げよう!」とする考えは同じですから、同志のような嬉しさを感じます。
こういった考えを傍らに打合をするわけですが、常に(なんとなく)「守破離(しゅはり)」という言葉を想起します。
「守破離」とは、日本の武道・茶道やなどの芸道における師弟関係のあり方や修業の過程を示したものです。Wikipediaによればその3段階を以下のように表現しています。
守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前) ~ 自律的に作業を遂行できる(1人前)
破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)
離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)
なんとなく昨今のキャリア教育のようにも感じられる文調ですが、雇われ院長のご経験のある方や勤務先との相対でお話しを伺うときなどは、その考えの良し悪しの基準になっている気がして、愛おしく思います。
そしてかくいう自分も、ACプランのメンバーとして、どの位置づけにいるのだろうか、と自戒を込めるのです。
ACプランには、過去のご依頼主の方からの再度の依頼も多くあります。そのご依頼こそが、成長と寄り添う設計集団であることを証明しているのだと受け止めています。