動物病院の専門家としてACプランのメンバー入りをして1年半が経過しました。
もともと同メンバーのスタッフとして鍛えてきましたが、この1年半の時間は、スタッフ当時に学んだ知識以上の経験をもたらしてくれました。
先日、ふと「脚下照顧」という言葉を想起し過去の実績を振り返りましたところ、実に様々な設計パターンに関われていることに気づきました。
特に印象的であったのは、「居ながら改修」の現場です。
私が初めてこの「居ながら改修」の現場に関わったのは20代の頃です。
工事をしていない「診察時の対応」という大きな課題がテナント工事/新築工事にはない相違点となり、経験が浅く若い私は随分と設計と施工の段取りに知恵を絞りました。
ちょうど直近の仕事でもこの「居ながら改修」の現場に関わりました。
投稿した写真はまさにこの現場の施工風雨系で、写真/左側では解体工事を進めており、写真/右側では大工工事が進んでいます。
このような状況が冷静に想定できたのは、当時と大きく異なり、まさに「診察時の対応」が想定できることにあります。
クライアントである病院の運営にどのような影響があるのか、ご協力いただくとして負担を軽減する策は何か、凡そ想像がつきます。
自画自賛ではなく、経験値が語るものを実感した次第です。
しかしこの感覚は過去のテナント工事/新築工事から紐付いた経験・知識によるところも多いと感じます。
パターン化された答えではなく、多様性を視野に入れた上での判断がそこにあるのかもしれません。
「木を見て森を見ず」ではなく「木を見て森も見る」だけでもなく、「森を見て林も木も見る」からこそプロフェッショナルなのだろうと思うのです。
ACプランは動物病院設計のプロとして、そういう存在であるものと考えています。