コロナ禍以降、様々な理由で物価が高騰し、連日のようにその過程が報道されています。
企業努力で解決できる状況はとうに過ぎている印象ですが、既に病院経営をされている方は資材の仕入れや価格転嫁について、今後開業される方はその行く末に頭を抱えているのではないかと思います。
これは動物病院設計に於いても同様のことが言えます。
設計行為を終えて多数の工事会社に実際の工事費を見積してもらい、その結果を「見積書」として受け取ります。そこに記された金額は、数年前のそれとは随分と異なる金額が記されており、目を見張ることも多々あります。
ACプランは従前から高品質なものを適正価格で提供してきました。その歴史は、市場価格に悩まされてきた歴史でもあります。メンバーが6人いますから、相互に経験値を共有し、また最新の情報を共有してきました。
見積書に記された価格は、仕入れ原価に工事会社の利益が加算されていますので、我々は物価が高騰してもその適正な価格を「見積書の査定」として示し、工事会社に説明を要求したり発注者の代理として交渉をしてきました。
また、その経験をもとにしたコスト感覚で、ACプランでは設計提案時に「概算見積書」として金額を提示しています。
その金額は、ACプランとして提案する動物病院に適した品質(いわば叡智の結晶)を適正な価格で表現したものとも言えます。
しかし我々が失注(ご縁が築けなかった)病院も少なからずあります。何らかの縁でその開業後の病院を拝見すると、競合他社の施工・選定材料の品質に驚くことがあります。
これは決して他社批判ではありません。安かろう悪かろうとも言いません。受託した方と委託した方にとっては相応しい結果であったのですから、単純にACプランの求める品質ではないので驚いた、という意味です。
しかし、仮に同じ価格(予算)で買物をするときに、「高価な製品を値下げし廉価に購入できた場合」と「企業努力で廉価におさめた」場合と、どちらを選ぶでしょうか?消耗品であればその価値観は購入者の自由ですが、永続的に使用するものであれば、前者を選ぶ方の方が多いのではないかと思います。
こういった価格に対する審美眼が、この価格高騰の時代には重要ではないかと考えます。
ACプランの提供する、見積書の表紙に書かれた金額では判断できない品質・価値について、今後我々にご依頼される方々にはご期待いただきたいと考えております。