テナント借りの開業をテナント開業、土地購入あるいは賃貸(定期借地等)で建築後の開業を戸建開業と呼びます。建物が密集する都市部ではテナント開業選択が多く、都市部以外では戸建開業が増加します。都市部には賃貸テナントが多く、戸建動物病院を開業するに十分な土地面積の確保が新規開業時には資金上厳しいとの判断からテナント開業が都市部では多い要因です。
テナント開業と一括りにしていますが、テナント動物病院開業に標準がある訳でもなく、型にハマった定型でもなく、病院毎に診療の方向性は異なります。新規開業動物病院と雖も設計の定型は無く、クライアントの要望と意向に沿って平面図を構想します。
新規開業テナント動物病院の基本構想案提出に際しては動物病院工事に充当可能な費用をあらかじめ建築士に伝えると工事費用に見合う基本構想案の提案が受けられます。開業資金の中から工事費用として使える資金は基本構想案に入る前に建築士に伝えるべき重要事項です。建築士は提示された工事費用と要望事項を照らし合わせ、基本構想案を検討します。工事費用範囲で要望が実現不可能な場合は、工事費用増の可能性を打診し、工事想定費用に則した基本構想案を立案します。費用と要望事項があまりに掛け離れている場合、基本構想案の提出は見送ります。基本構想案作成にはクライント要望事項とテナント規模・形状と共に工事に充当できる資金も大きく影響します。
新規開業動物病院に定型は無く標準もありません。松竹梅や優良可のようなグレード別けもありませんが、テナント規模・形状と工事充当資金によって提案内容が変わりますし、工事費用の不足は動物病院開業への足枷になります。資金に見合った動物病院づくりが出来る建築士を選定し、開業可能性を高め、動物病院開業後の医療環境を保ち集客可能性を上げる選択をすることが新規開業動物病院への近道です。