新規開業を事業承継にて行う獣医師の先生方へ、建築基準法上の留意点を以下に記します。
既存動物病院を引き継ぐに当って事業承継では戸建の動物病院を引き継ぐ場合が多くなります。動物病院事業の引継ぎに関しては承継を専門とする者が間に入り、細かな留意点確認や複数書類が交わされるものと察しますが、建築物の引継ぎに関しては綿密な確認無く、引継ぎが行われる場合もあるようです。
事業承継後の改修や増築に際しては既存建築物(動物病院)の確認申請副本と検査済証は必須書類です。その他に建築竣工時の建築図面も必須で、工事進捗写真等も受け取っておくと役に立ちます。確認申請副本と検査済証が無い場合は、原則、承継後の増築も改修も増改築も出来ません。加えて動物病院拡張を目論んで、隣地等を購入し、新築した動物病院と既存動物病院を繋ぐ事にも支障が出ます。確認申請副本と検査済証が無ければ既存の動物病院に手を加える事が非常に困難になります。
また、確認申請副本と検査済証がある場合でも、承継動物病院が新築後、改修や増改築が行われた場合は、改修や増改築時点での確認申請副本や検査済証も受け取っておく必要があります。新築後に公的機関に届出を出さずに増改築した建築物は、建築基準法上は違法建築物扱いとなり、法規上建築物の価値は無いに等しい状態と認識されます。
事業承継は新規開業動物病院の選択肢の一つとなっていますが、土地や建築物を引き継ぐ際には関係法規の知識と理解がある程度必要になり、承継後の動物病院の将来にも多大な影響を及ぼす事に留意下さい。
動物病院計画 平面図
動物病院計画 立面図1
動物病院計画 立面図2
動物病院計画 立面図3