コラム&ブログ

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2022.05.09 動物病院から消えゆくもの

私が始めて動物病院設計に触れたのは2006年ですので、もう16年も前の話になります。

当時は未だiPhoneを始めとするスマホやタブレットがこの世に存在しなかった時代ですから、十年一昔とはよく言ったものです。
当然ながら動物病院も時代の潮流とともにアップデートされており、設計者として当時学んでいた必要諸室や仕様の幾つかは、すでに過去の仕様になりつつあります。

今回はそれらをピックアップしてみました。

■暗室
CR/DRの普及により、レントゲン撮影~フィルム撮影がなくなり、部屋の必要性がなくなりました。

■鉛
放射線物質を扱う以上は、施設/設備によっては必要な面もあると思いますが、バリウムボードの普及により動物病院設計施工の総量としては旧仕様になりつつあります。

■有線LAN
多少の語弊があるかもしれません。少なくとも医療用については、今なお有線LANの方が安定性/安全性は高いと思いますが、汎用LANは必然性がなくなりつつあります。

■壁付/天井付スピーカー
もちろん実装している病院も多々ありますが、Bluetooth/Wi-fi接続の高出力/高音質なスピーカーが普及しており、音響設備としての必然性がなくなりつつあります。

■掃除用電源
ワイヤレス掃除機が普及し、各室/各所に設ける必然性がなくなりつつあります。

■汚物流し/SK
これは私の持論ですが、流量の少ない汚物流し/SKよりも廉価な大便器の方が実用性が高い気がしています。

■陰湿な動物病院
明るく衛生的で地域に愛される動物病院はACプランの認知度の向上とともに増えてきました。反面、旧態依然としたつくりの動物病院は減ってきています。
本日のオチのようなタイミングですが、事実ではないかと思います。

以上、もちろん現在も生きながらえている場合もありますので「絶滅危惧種」とお受け止めいただければ幸いです。

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株式会社伏見屋増田 慎太郎 / Shintaro Masuda

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