病院のイメージをデザインで表現するためには、統一感のあるコンセプトが重要と考えています。「病院らしい病院」にするのか、「病院らしくない病院」にするのか。そして、その場合は何をイメージにするのか? デザインコンセプトとして利用できる具体例としては、「ホテル・美術館・喫茶店・カフェ・美容室・宝石店・エステサロン・・・」など様々なイメージがあります。いずれも「不特定多数の人の集まる場所」で空間的な特徴や独特のデザインを持っています。「地中海風・洋風・アーリーアメリカン・メルヘン・和風・トスカーナ風・・・」等は様式や作風をイメージする言葉として古くから共通言語として使用されてきています。「病院らしい白」を始め「緑・茶色・オレンジ・シルバー―」などの色から連想されるイメージや「清潔感・親しみのある・落ち着いた・クール・若々しい・派手・渋味・・・」等はファッションや人間性のもつ特徴を空間に求めています。また、「メタリック=金属・木調・レンガ・石・塗壁」等などの好みの素材を断片的に組み合わせて空間を創り出すことも可能です。
デザインは解釈に個人差があり、その表現方法も感じ方も異なりますが、話し合いながら、イメージを参照しながら新しいコンセプトでデザインしてゆけばオリジナリティのあるデザインを生み出すことができます。 時には「先生のネクタイの色」「先生のお持ちの車種やその色」「今まで行った場所で一番好きな場所や落ち着く場所」などもコンセプトのヒントとしてデザインしてゆくことも一つの方法と考えています。