真摯な姿勢

計画提案のすべてが設計監理契約に至るわけではありません。至極当然ですが、開業や移転を考える先生方はACプランのみに設計依頼することは稀で、必ずと言っていいほど競合する設計事務所や建設会社、住宅メーカーが存在します。
多数の提案の中から、自らが最も気に入った計画の選定が発注者(クライアント)にとっては理想です。理想に少しでも近づくためには、計画内容のみならず建築予算範囲や担当者との相性、依頼会社の規模や社会的信用、安心度の高さ・・・等々、選定する基準も個々によって差がありますから、必ずしも動物病院として充実した機能を有する計画が優先されるわけでもなかろうと思っています。

八王子 テナント動物病院計画

提案に際しては、クライアントが希望・要望する事案に関しては可能な限り提案内容に盛り込み、動物病院としての機能を損なうことなく診療サービスの充実と向上が可能な平面計画と動物病院の将来を想定した可変性の高い計画提案を検討し、基本構想案を進めます。希望や要望が多岐に渡り、階層化できない場合や要望事項が多すぎて選定土地や選定テナント内に納まりきらない場合は、要望選択が低いと思われる機能や諸室を小さくしたり、切り捨てながら計画を推考します。提案する計画案は時間と経験の集積と設計者としてのアイディアを盛り込んだ自信作ですが、クライアントの琴線に響かないことも多々あるのも事実です。
クライアントは受け取った計画提案が自らの琴線に触れず、あまりにもつまらなく未熟な計画案と感じるならばその旨を提案者(設計者)に伝えるべきです。受け取った計画に関して自分が思っていた方向とのずれを感じたならばその旨を提案者に伝えるべきであろうと思います。計画を提案する側には提案の矜持があるものです。矜持に応える義務が提案を依頼した側にあるとは言えませんが、提案に込められた時間と経験をベースにしたエネルギーを真摯に受け止める姿勢を持つことは、依頼する側の最低限の姿勢と思います。

伊勢原 動物病院計画

伊勢原 動物病院計画

提案された計画案から選ばれるのは一点しかないことはすべての提案者が理解していますが、選定の理由や経緯を伝える真摯な姿勢で対応することは、選ばれなかった提案者の矜持に応える方法の一つと思います。

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