天井をバリアフリーにしても建物の機能は特に向上しないのですが、何もないシンプルで平滑な天井を作りたいと常々思います。
天井など気にしたことがないので、どうでも良い方でも、普段、天井は眼に入っています。眼に入っていても天井に眼を凝らすことがなく、天井を気にかけていないに過ぎません。
天井には照明器具や換気扇、空調機器が取り付きます。天井照明器具は光源が目に入ると眩しく、光源をガラス板で遮る照明器具も見せるためにデザインされているものではありません。天井用の換気扇や空調機器は目立ちにくいデザインをしていますが、目立ちにくさが目につくと不粋になります。
光源の在り処が定かでない、さり気なく明るい室内が、個人的には理想の状態と思います。柔らかな反射光が天井や壁に写り、室内の床面にほのかな光が毀れる部屋は落ち着きます。壁や天井の凹凸がなく平滑にすると感覚的に部屋の大きさが広がります。動物病院の待合天井は接客する場所ですから、シンプルな天井と間接照明で診察待ちお客様に寛げる時間の提供を考えても良い場所と思います。